妻が「水素水」でアンチエイジングしたいって言い始めたんだよ~
あら~、水素って水にほとんど溶けないし、効果も実証されてないのにね
そうなんだ、どうやったら分かってくれるかな
う~ん、では水素水についてまずはおさらいしてみようか
水素水って、巷では「メタボを予防」とか「糖尿病に効く」とか「認知症防止」とか「アトピーに効く」とか、「アンチエイジングの最終兵器」とか、様々な効果・効用が言われてますね。
一方、「水素水ってホントに効果あるの?」というお考えの皆さんもおられると思います。
このサイトに来られた方々は、
✅水素水が体に良いのかどうかを知りたい。
✅水素水が効かないなら、他の効く方法が知りたい。
✅安くて気楽に続けやすいものが知りたい。
そんなことをお考えかと思います。
そんな皆さん向けに、「健康診断はオールA」、「標準体重」を15年キープし続けている僕が、実体験と調査結果に基づいて情報を提供します。
本日のお話で伝えたいこと
✅水素水はただの水と変わらないのでアンチエイジングは期待できない。
✅水は美味しさで選び、外出時と改定用に使い分ける。
✅亜鉛サプリがおススメ。安い。タンパク質の生産を総合サポート。
✅ビタミンCサプリがおススメ。水素水の謳う抗酸化作用と同じ効き目。
以上について、説明します。
水素水について
「水素水」については定義がありません。
したがって、どんなものを水素水と呼ぶのか基準はありません。
一般的には「水分子(H2O)に水素分子(H2)が(ある程度)溶存した状態の水」と説明されることが多いです。
炭酸水のように発泡しているわけでもありませんので、見た目ではただの水と区別できません。
なお他のカテゴリーとして「活性水素水(ミネラルを還元)」というのもありますが、ここでは触れません。
水素水の効果は実証されていない
水素水が学術コミュニティーでの話題に上がったのは、2007年、「Nature Medicine」で「動物実験」において、ヒドロキシラジカルという化学物質に対しする、水素が持つ「抗酸化」作用等について報告されたのがきっかけです。
これは、日本医科大学の太田成男教授(2007年当時)による報告です。
ご参考までに論文情報を記載します。
Ohsawa, Ikuroh; Ishikawa, Masahiro; Takahashi, Kumiko; et al. (2007). “Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals”. Nature Medicine13 (6): 688–694.
その後基礎研究が日本・米国・欧州等で多数行われています。
効果が実証されていない理由
ただし、以下の理由で、「水素水のヒトに対する効果」が確認されていません。
先に結論をお伝えしますと、人間に対して、誰もが認めるやり方で、何度も繰り返し効果が認められていないからです。
論文の実験条件がバラバラ
論文に載せる実験をするにあたって、実験の手順・条件が各論文毎にバラバラです。
つまり、「このケースではこういう結果が確認されたけど、別のケースでは全然違う結果になった」という、論文によってやっていることが全然違う状態です。
例えば、カレーのレシピは家庭毎にまちまちなので、家庭毎に味が違うという感じです。
科学の世界ではこういう状態は困るわけです。
再現性(同じ結果)が得られない
本来、論文で実験の手順・条件が開示される場合、同じ手順・条件で実験すれば、同じ結果が得られるはずです。
これを「再現性」といいます。
水素水の場合、この再現性があった旨の報告が少ないようです。
世の中を騒がせたSTAP細胞を思い出してください。
STAP細胞の一番の問題は、「論文にある手順・条件でSTAP細胞を作り出そうとしても、できない」ということでした。
これと同じ問題が、水素水でも生じています。
ヒトを対象とした実験データが少ない
ヒトを対象とした実験データを報告した論文が少ないため、ヒトに対する効果が確認できません。
動物実験のデータ、これを考察した論文は増加しておりますが、水素水を飲むのはヒトです。
ですから、ヒトのアンチエイジングを謳うのであれば、ヒトについての実験(臨床試験)が必要です。
一方、一般に「ラット」や「マウス」、「ブタ」といった動物実験のデータと「ヒト」を対象とした実験が全く同じになるとは言えません。
例えば、犬に玉ねぎを与えるとお腹を壊しますが、人間には玉ねぎは必要ですよね。
牛は草を消化して栄養を取り込めますが、人間には草は消化できません。
そんなところからも、「ブタ」や「マウス」に効いたからといって「ヒト」に効くとは限らないということについて、納得いただけると思います。
効果があると言えるのは
ということで、ヒトに効果があると謳うためには、
- 実験条件・手順が確立された
- 効果が繰り返し確認された
- マウスやラットやブタではなく、ヒトで確認された
という段階まで試験・研究が進まなければなりません。
ここまで進んでいない状態で「癌が治る」とか「メタボが治る」とか「アンチエイジングに効く」とか謳うのは、薬事法の誇大広告に関する条文の定め(66条)に違反します。
66条の重要な部分を抜粋すると、
”何人も、~ 効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。 ”
とあります。
何人も、というあたり、巷のインフルエンサーや、良かれと思ってブログに書いた皆さんも該当することになるので、気を付けてください。
水素水の効果は「水分補給」とひとまず考えておくのが無難
「効果・効能」を宣伝できない以上、現時点では水素水は「ただの水」としか宣伝広告できません。
この宣伝した内容について、商品の宣伝の内容と合致した商品化どうか、という観点で、消費者庁が2017年に水素水を取り扱っていた業者に”記載事項の医薬品的効果なし”と告げ、さらに再発防止の措置命令をしました。
大手飲料メーカーの伊藤園のサイトでも効果が書いてない
大手飲料メーカーの伊藤園も、ネットでは批判の嵐に巻き込まれていましたね。
あらためて、伊藤園のサイトを覗いてみました。
水素水には、①水素は時間がたつにつれて水から抜けていくこと、②水素水自体は安全であること③水素水を製造するのに、特許製法が用いられていることが書かれていました。
一方、「アンチエイジング」や「〇〇に効く」といった医薬的効果は一切書かれていません。
水素水は水と同じように、朝目覚めた時や夜寝る前、お風呂あがりやスポーツをするときなど、通常の水分補給と同じ感覚でお飲みいただけます。
伊藤園HP「水素水」より https://www.itoen.co.jp/suisosui/
「水と同じように」という説明が多様されているのは、医薬的効果を謳えないという理由からでしょう。
実際、水との違いを謳うことができないのであれば、≒水としかアピールできません。
というより、この効果って水分補給そのものですね・・・
特許にも医薬的効果が書いていない
特許(第5746411号)についても確認しました。
権利としては、「水素の泡を小さくして、肉眼では見えないレベルで少し多めに水中に分散させる」ためのプロセスです。
技術的には立派なものです。
一方、医薬的効果については書いてありませんでした。
例えば以下のような記載ばかりです。
伊藤園の法務部・知財部はリスク管理の面で優秀だと感じます。「効果がある」と言ってません。
私見ですが、「効果が期待される・期待できる(あるかどうかはこれからわかるだろう)」までがギリギリだったのでしょう。
伊藤園の内部でどんなやりとりがあったのか、ちょっと気になります。営業V.S.法務・知財のような構図かもしれません。
(水素水)
特許(第5746411号)
広く水素を含有する水を指すが明確な定義は無い。
また、水素水は飲用により体内に取り込まれた場合、含有される水素分子の還元力によって、活性酸素が除去されて体内の酸化ストレスを防止するといった効果が期待されている。
特許(第5746411号)
また、水素水はそのまま飲用することもできるが、本発明に係る方法で製造した水素水を、茶抽出液、コーヒー抽出液、果汁、野菜汁、乳、発酵乳等の飲料原料に添加する添加剤としても用いることができる。
特許(第5746411号)
これらの飲料原料に水素水を添加することによって、酸化に起因する各飲料の品質劣化を抑制する効果が期待できる。
世間の評判は・・・
まとめると、以下の3点となります。
✅薬事法違反をしないように気を付けている。
✅現時点ではただの水として販売している。効果も水分補給そのもの。若干「美容のために水素水」と読める部分があるが、水も美容のために飲むのは一般的だからセーフ?
✅ただし一般消費者には分かりづらく誤解も与えるため、批判されている。
法律を守っているからO.K.でしょうか?
医薬的効果を謳っていないからといって、消費者に誤解を与えるような売り方は好ましいものでしょうか?
僕は、Noだと思います。
消費者がNoと思っているからこそ、水素水についての猜疑心が高まって、厳しい報道が各社からなされたのでしょう。
水は美味しさにこだわるべき
水素水と言われるものと、その他の水にアンチエイジングとして違いが見いだせないのならば、後は「美味しい水」を「安価に」選ぶのが健康に良いと感じています。
この観点で僕がお勧めするのは以下の2つです。
クリスタルガイザー:持ち運び用
ポイントはいたってシンプルです。
✅味にクセがない
✅500mlの飲み切りサイズ
✅会社や大学に持っていける
✅大量に仕入れるので安価
忙しい朝でもカバンに1本忍ばせておけば、一日持ちますね。
水がカバンに入っていれば、余計な清涼飲料水を買うこともありません。
結果としてダイエットにもつながります。
なお、後述のブリタを使用するなら別に水筒を持参する必要があります。
毎回水筒を洗う手間や水を煮沸して水筒に入れることを考慮して、出歩くときはクリスタルガイザーを持っていくのですが、「手間ではない!」という方はブリタだけでO.K.です。
ブリタ:家庭での料理や飲料用
家庭用の飲料水はブリタがお勧めです。
✅まとめて作って水さしとして卓上に置くと便利。これは他の浄水器にはない機能。
✅水が美味しい
✅1リットル5円のコスパ
僕は以上3点でブリタを10年程使用しています。
アンチエイジングに効くサプリ
僕は「効果が良く分からないものは他人や家族におススメしない」というスタンスをとっていますので、水素水をアンチエイジング目的でお勧めしていません。
このため、僕が皆さんにお勧めするサプリメントには、一定の基準があります。
お勧めする基準について
加齢や老いについての定義をするのは難しいので、ひとまず、タンパク質を作るのをサポートする作用や、細胞の酸化を抑制するような作用がある代表的なものをピックアップしました。
中でも、安い物や、科学的に研究がされていて、定評があるものを優先しています。
近年注目がされているものについては、機能性表示食品(少なくともヒトに作用があるかどうかを試験して一定の効果が認められたもの)の中から提案しています。
水素水についてはこのようなものはありませんでした。
なお、以下のサプリメントは、いずれもAmazonや楽天市場から購入可能です。
どこの製品を選べば良いか
この記事を読んでいただいている方々は生命科学や化学合成の専門家ではないと思います。
したがって、「〇社製のサプリが効くらしい」という巷の情報に流されないようにすることをお勧めします。
巷の情報には比較データがそもそもありませんし、情報を流しているのも素人ですので、考えるだけムダです。
考えて悩むぐらいなら、美容や健康のためにはさっさと寝ることです。
色々と意見はあるかと思いますが、個人的には、日本の企業のものを選んでおけば良いと思います。
理由は、何が含まれているか日本語で書いてあり、問い合わせ窓口が日本にあるからです。
何かトラブルが生じた場合についても、対応が簡単です。
定評のある米国企業のサプリメントでは、そうはいかないケースもあります。
亜鉛
最も安価で、続けやすいこと、人間の体の中で様々な反応をサポートするために大活躍のミネラルです。
細胞の新陳代謝が活性化するという意味で、日々の生活には欠かせません。
ですので、加齢や老いという意味では、細胞の新陳代謝をサポートするミネラルを欠かさないようにすることが大切と考えます。
厚生労働省関連サイトの説明を引用しておきます。
亜鉛とは、人が健康を維持するために必要な栄養素です。亜鉛は全身の細胞内に存在しています。亜鉛は全身の細胞に存在し、免疫システムが侵入してきた細菌やウイルスを防御するのに役立ちます。タンパク質およびDNA、つまりすべての細胞の中にある遺伝物質を合成するためにも、亜鉛は体に必要です。妊娠中、乳児期および小児期の体は、十分に成長・発達するために亜鉛を必要とします。亜鉛は創傷治癒にも有用で、適正な味覚や臭覚にも重要です。
「総合医療」情報発信サイト https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/12.html
ビタミンC
酸化防止作用のある水に溶けるビタミンです。
「フリーラジカルによるダメージから細胞を守る」という観点は、細かくはメカニズムが異なるとは思いますが、水素水で皆さんが期待していた効果そのものです。
水素水では主張できない「フリーラジカルによるダメージから細胞を守る」という効果について、ビタミンCでは主張可能です。
アスコルビン酸としても知られるビタミンCは、食品に含まれている水溶性の栄養素です。ビタミンCには、酸化防止作用があり、体内でフリーラジカルによるダメージから細胞を守るのを助けます。フリーラジカルとは、摂取した食物が体内でエネルギーに変わる時に形成される化合物です。大気中にもタバコの煙や大気汚染、太陽からの紫外線によって発生したフリーラジカルが存在し、人々は曝露を受けています。
身体は傷の治癒に必要なタンパク質であるコラーゲンを生成するためにもビタミンCを必要とします。さらに、ビタミンCは、植物性食品からの鉄の吸収を促し、病気から身体を守るために免疫系が適切な働きをするのを助けます。
「総合医療」情報発信サイトhttps://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/12.html
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アンチエイジングをはじめとする様々な可能性のある水素水自体を否定するわけではありませんが、一方で、医薬的効果が公に認められていないこともご理解ください。
水素水を導入するのなら、現時点では効果の面では「ただの水」としか言えないことを踏まえ、自己責任でというスタンスをお忘れないようにおススメします。
また、サプリメントを始める方も、メーカー記載の用法・容量を守って服用されることをおススメします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考:こんな人がこの記事を書いています。
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