【コロナウィルスに負けない】単身赴任中の妊活

転職と家族

「【コロナウィルスに負けない】身赴任中の妊活」

今日はそんなお話をしていこうと思います。

 

2020年2月頃から世間を騒がせている新型コロナウィルス感染症のせいで、単身赴任中の旦那さんが家族の元へ帰りづらくなっています。

 

当然、妊活のハードルも高くなっています。

 

そんな皆さんに、「人工授精」や「体外受精」の紹介をしたいと思い、この記事を書きました。

 

「こういうやり方もあるんだ」と、選択肢の一つにラインナップいただけると嬉しいです。

はじめに:着床前診断についてのニュース報道

2020年1月25日にNHK NEWS WEBにて、「着床前診断 対象疾患拡大を議論 産科婦人科学会」というタイトルの記事が公開されました。

「着床前診断」や「対象疾患」といった専門用語が出ていますが、真剣に家族計画をお考えの皆さんには、是非お読みいただきたい内容です。

着床前診断の説明・目的・社会的な問題点

記事を紹介するために事前情報を説明します。

不妊治療の手段の一つに「体外受精」というものがあります。

このプロセスを簡単に説明します。

まず、女性の体から卵子を取り出します。

取り出した卵子と、同じく男性の体から取り出した精子とから、受精卵を得ることになります。

この受精を体外で行うことを体外受精と言います。

体外受精のやり方としては、例えば卵子に極細の注射器で精子を注入する等の方法をとります。

ここで、体外受精後の受精卵を子宮に戻す(つまり妊娠する)前に、「着床前診断」をすることがあります。

「着床前診断」とは、この受精卵に、特定の遺伝子などの異常がないかどうかを調べることを目的としたものです。

受精卵の中から細胞をいくつか採取して、その細胞から遺伝子を増殖させて、遺伝子に異常が無いかどうか検査をします。

特定の遺伝的なエラーを、受精卵の時点で確認できるため、医療技術としては非常に画期的なものです。

しかし、着床前診断は「命の選択」というキーワードと絡めて話題になることがあります。

遺伝的なエラーを有する受精卵と、エラーを有さない受精卵を選別し、子宮に戻すことが、「命の選択」になるのではないか?というものです。

このため、医療技術の観点と、倫理の観点から、日本産科婦人科学会では慎重に取り扱うように方針を定めています。

記事からわかる産科婦人科学会の新たな動き

そんななか、この「着床前診断」についてのクリニックでの実施を認める対象を広げるかどうかの議論について、新たな動きが生じているようです。

それでは、 冒頭の第1~2パラグラフを引用します。

体外受精させた受精卵の特定の遺伝子などを調べ異常がないものを子宮に戻す「着床前診断」について、日本産科婦人科学会は実施を認める対象を広げ、生活に著しい影響が出る遺伝性の病気についても、有効な治療法がない場合などには認めるとする素案を示しました。

「着床前診断」について、日本産科婦人科学会はこれまで成人になるまでに死亡する可能性がある遺伝性の病気の子どもを出産する場合などに限って実施を認めてきましたが、失明する可能性がある遺伝性の目のがんなど、生活に著しい影響が出る病気にも対象を広げるべきか協議するため、医療関係者や倫理の専門家などでつくる審議会を立ち上げました。

NHK NEWS WEB[ 着床前診断 対象疾患拡大を議論 産科婦人科学会 ]記事より
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200125/k10012258941000.html

要約すると、「着床前診断をやっても良いケースを拡大しようか検討中」ということです。

結論:この記事で伝えたいことは4点です

前置きが長くなりましたが、今回のお話の軸は4つです。

  • 単身赴任中は妊活のハードルが高くなる。新型コロナウィルス感染症も影響。
  • 誰もが家族計画についての悩みを抱いている。
  • 体外受精という方法もある。メリットとデメリットを紹介する。
  • 着床前診断についての情報提供。

単身赴任中の妊活の実情

単身赴任中の皆様に共通のこととして、平日に家族のもとに月1度通う、というのは、業務上難しいのではないでしょうか。

これを解決するために、奥様が旦那様の元へ月1度通う、というのも選択肢としてはあります。

これなら旦那様が休まなくても妊活は続けられるはずです。

ただ、月1度のチャンスでは、同居している場合と比べてご懐妊のチャンスは少ないのは明らかです。

どれだけ頑張っても、同居中の生活と比べて単身赴任中の妊活はハードルが高いことをご理解ください。

 

ましてや、世の中は新型コロナウィルス感染症の影響で、遠距離移動をすることがはばかられる状況です。

 

「妊活に励むことでコロナウィルス感染症のクラスターが発生してしまった」

 

そんなことを言われてしまう世の中になるのは嫌ですが、考えただけでも心配ですよね。

 

サイエンスマン
サイエンスマン

新型コロナウィルス感染症で不安なのは仕方がない。でも、妊活している人が危機感持つのわかるよ。

30代は家族計画に悩みを抱えている

「ならば単身赴任が終わるのを待っていれば良いだろう。」

そうおっしゃる方もおられます。

しかし、現実的にはそうも言っていられません。新型コロナウィルス感染症が、いつ終息するのかなんて、誰も責任もって言えませんから。

30代に共通する悩みを挙げますと・・・

 

・体力のあるうちに子育てを開始したい

・妊娠中の心配

・出産後のリスク

・高齢出産

・新型コロナウィルス感染症の影響で、単身赴任中の妊活の回数が減る

 

といったところだと思います。

終わりの見えない単身赴任の中を理由にしても、時間は過ぎていきます。

単身赴任が終わるのを待つなんて、悠長なことは言っていられません。

体外受精という選択もある

そこで、単身赴任中のご家庭の場合、「体外受精」という選択をするご家庭もあります。

プランは色々とありますが、イメージしやすいのは以下のプロセスでしょう。

・精子と卵子をそれぞれストックする

・顕微鏡で見ながら卵子に精子を注入し、体の外で受精させる

・受精卵をいったん凍結

・解凍した受精卵を体内に戻す

メリット:旦那の休暇に左右されない妊活

メリットは主に2つです。

まず、 「平日に家族のもとに月1度通う」必要がなくなります。

具体的には、単身赴任中の旦那様が対応するのは「精子のストック」だからです。

クリニックに提供すれば、完了です。

 

新型コロナウィルス感染症の影響で、頻繁に帰省するのが難しくなっています。

でも、一度だけクリニックで精子をストックすればいいのなら、単身赴任中の妊活のハードルが下げられると思いませんか?

もう一つは、「受精卵を●●個確保した」のかを把握できることです。

これにより、

「今ある受精卵のストックを考えると、あと何回、何か月間の間でトライできます。」

という妊娠に向けた具体的な提案を受けることが可能です。

デメリット:身体・費用・心の負担

一方、デメリットもあります。

その中で、費用・体への負荷・心の不安という3点について、以下に説明します。

奥様の体への負荷を無視できない

一言で「卵子を取り出す」といっても、簡単なものではありません。

例えば、排卵しやすいコンディションに調整するためお腹に毎日注射を打つ等、通常の妊活とは異なる準備が必要です。

これについては、クリニックのカウンセリングでご確認してください。

WEBの情報だけを頼りに軽く考えると、シンプルなイメージと実際の治療とのギャップに悩むこととなります。

治療のコスト

プランが各ご家庭に対してオーダーメードであることや、受精卵を体に移す際に必ず着床するというわけでもないため、卵子採取から受精卵を子宮に戻すまでのサイクルを何度繰り返すかはご家族それぞれです。

それでも、目安として50~100万円程度かかるケースを覚悟しましょう。

また、予算が無限にあるわけではありませんので、ご家族で「3サイクルやって妊娠しなかったら止めよう」というお話を、治療開始前に定めておくことが重要です。

この事前の話し合いがあやふやなままですと、予算がいくらあっても足りません。

家族計画には、お金の計画も重要です。

不妊治療の結果、離婚に至ったというご夫婦の話も少なくありません。

治療中の不安

旦那様は奥様の心のサポートをしてください。

不妊治療というのは、「終わりのないマラソン」のようなストレスがかかります。

これは、

・妊娠するまで治療を繰り返す。

・治療により奥様への負荷がかかる。

・時間の経過と費用に対する焦り。

という3つの要因が大きいでしょう。

このような内容は、旦那様以外になかなかお話できないものです。

奥様のご不安を解消するためには、旦那様が寄り添ってください。

染色体異常と着床前診断という選択

さて、皆様は「高齢出産」というキーワードに触れたことがあると思います。

高齢出産は母体と胎児のリスクが高まるというものが一般的な見解です

例えば、厚生労働省のアンケート調査の設問と前段の説明(平成25年厚生労働白書 P108参照)をご覧ください。

「染色体異常」というキーワードが具体的に用いられています。

厳密ではありませんが、「染色体異常」という言葉は「遺伝子のエラーがある」とご理解いただければそれほど間違いではありません。

この「染色体異常」を妊娠中に確認する方法として、「羊水検査」等が挙げられます。

しかし、「羊水検査」は妊娠中の検査です。

これに対し、妊娠する前に「染色体異常」を確認する、という考え方に基づき検討されているのが「着床前診断」です。

倫理面での議論は多数ありますが、少なくとも、母体に負担のかからない検査であることは間違いないでしょう。

着床前診断をすることで、以下の2点が期待されます。

妊娠前に流産のリスクを減らすことができる

・その他もろもろの心配事(遺伝的な疾患を抱えていないかどうか等)についても、受精卵の段階で事前に判明するため、エラーの無い受精卵を優先して子宮に戻すことができる

母体にとっては流産のリスクを回避するのは好ましいことです。

一方、受精卵の段階で親が命を選別する、という行為なのではないかという声も挙がっています。

母体の健康や出産後のリスクコントロールと倫理面での課題はいずれも重要なものです。

このため、簡単に議論の決着がつきません。

冒頭の記事は、議論の最新状況について紹介したものです。

着床前診断について詳しく知りたい方は

僕は医者ではありませんので技術面でのお話に誤解を与える懸念があり、多くを語れません。ですから、ここでは専門家の説明が開示されているHPの紹介をします。

「着床前診断」の技術面(どの程度の効果がデータとして出ているのか)の詳しい情報については、「 神戸ARTレディスクリニック・大谷レディスクリニック 」のHPをご覧ください。

クリニックの院長である大谷医師は、日本産科婦人科学会の方針と比較して積極的な診断を展開しておられ、ご自身のクリニックで取得した治療成績をデータ化し、HPで公開しています。

同学会と大谷医師との関係については、神戸新聞の記事(2017年6月24日)で触れられているように、同学会から「会員資格停止の処分(学会の会員の資格の話であって、医師の資格の話ではありません)」を受けたというお話があります。

どちらが良い悪いというわけではなく、学会の方針と個人の見解の相違ということでしょう。

技術面・倫理面の議論をするつもりはありませんが、皆さんの判断をゆがめないよう、情報を提供しました。

なお、ご自身のお住まいの自治体によっては、申請により助成金をいただけるチャンスもありますので、必ずご確認ください。

着床前診断を受けるためのハードル

「着床前診断」というキーワードで検索すると様々なクリニックのHPで解説がなされているのですが、これらのクリニックで着床前診断を受けるためには、「 日本産科婦人科学会 に診断の認可申請」をする必要があるところばかりです。

その基準はハードルが高く、

・習慣ならびに反復流産(2回以上の流産)の均衡型染色体構造異常を有するご夫婦

・重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性のある均衡型染色体構造異常を有するご夫婦

となっていますので、東京から神戸の大谷レディースクリニックまで通う、という方も多いのが現状です。

よりまとまった情報は、院長の大谷医師が本を発行しているので、こちらをご覧ください。

着床前スクリーニングQ&A 流産をしない・繰り返さない[本/雑誌] / 大谷徹郎/著 大石祥子/著

だいぶ前になりますが、僕も大谷先生に直接お話を聞いたことがあります。

内容はここでは申せませんが、先生のお考えに触れてみた感想を申します。

パートナーの体の負担や心の不安をケアするという考えを持って着床前診断をすることは、特に悪いことではないように感じています。

単身赴任をやめるために転職することもできる

家族計画を大事にするためには、「単身赴任」をやめて、同居を前提とする転職も選択肢の一つです。

ただし、行き当たりばったりに決断せず、慎重に準備を重ねて行動することをお勧めします。

転職エージェントに関する情報を記事に載せましたので、ご覧ください。

転職に有利な資格を取得することも重要です。

中でも、TOEICスコアの底上げは、職種の幅を大きく広げてくれます。

3か月で完結するTOEICスコアアップのトレーニングについてはこちらの記事をご覧ください。

転職に際して、いっそのこと、専門性を高めるというのも選択肢の一つです。

「弁護士」「公認会計士」「司法書士」「弁理士」「税理士」といった資格があれば、その性質上転勤の対象にはなりません(工場にいてもあまり意味がないためです)。

ご家族のために転勤をしたくないけれども、年収アップしたい!

そんな方のために、国家資格の情報についてこちらの記事を書きました。

まとめ:単身赴任中の妊活の現実

単身赴任中の妊活は、同居の場合と比べてハードルが高いことを伝えました。

単身赴任先で定期的に休みを取るということの難しさや等が理由ですが、そこに新型コロナウィルス感染症の影響が加わり、これまでよりも妊活のハードルが上がっているのは明らかです

 

この問題を解消するための体外受精という選択肢を示しました。

体外受精の場合の金銭的な負担や体の負担など、気を付けるべきこともあります。

命の選択という倫理面での議論が続いている一方、 着床前診断という技術が結果として母体への負荷を減らし、遺伝的なもろもろの問題を解決するという事実も紹介しました。

このような悩みを解決するために、いっそ転職して家族の元に戻るというのも、選択肢の一つです。

 

どのような選択肢をとるのかはご家族のお考え次第ではありますが、単身赴任中=妊活できない」と結論を急がず、「いろんなやり方があるのだな」と視野を広くしていただけると幸いです。

本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

参考:自己紹介はこちら

参考:TOEICの勉強法はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました