ハモ先生!僕フリーランスになるよ!
お!じゃ確定申告は青色と白色どっちにする?
えっ!なにそれ?
サラリーマンを辞めた社会人や学生さんや専業主婦の方がフリーランスで幅広く活躍する時代がやってきました。
お店を持たなくても、インターネットがあればビジネスができる素晴らしい世の中ですね。
でもちょっと待ってください。ビジネスを始めるなら、税務署に開業届を出さなければなりません!
そこで今回は、開業届を出す際につまづきがちな「フリーランス(個人事業主)」の「青色申告」と「白色申告」の違いについて、押さえておきましょう。
例外や細かいことを言い始めたらきりがないので、今回は、以下3つの前提でシンプルにお話します。
- サラリーマンとの兼業ではない
- 扶養家族はいない
- 基礎控除以外は全部無視!
具体的には、せどりやブログで収入を得ようとする皆さんがビジネスを始めるケースに該当します。
もっと詳しい節税が知りたい方は、サラリーマン向けの記事で細かく紹介をしていますので、ご覧くださいね。
結論
どのプランを選択するかによって、節税できる金額が変わります。なお、以下の説明は、2020年1月1日から2020年12月31日分の所得を、2021年に入って確定申告することを想定した説明になっています。
- 「売上-経費」が48万円未満になりそうなら白色申告でも所得税なし
- 「売上-経費」が48万円以上になりそうなら青色申告を検討しよう
- 青色申告&複式簿記で「売上-経費」が103万円まで所得税なし
- 青色申告&複式簿記&e-Taxなら「売上-経費」が113万円まで所得税なし
それと、青色申告と白色申告のいずれの場合でも、弥生会計等の会計ソフトを導入するのがおススメです。「やよいの白色申告オンライン」なら基本料金がいつまでも無料ということですので、一度お試しください。
青色申告と白色申告とは
「青色」と「白色」とは、税務署に提出する申告用紙の色の違いで区分された名称でした。
今は色の違いがありませんが、この白色申告と青色申告の区分は、2020年2月24日時点では、以下の4通りです。
比較するため表にしましたのでご覧ください。 なお、この表は国税庁からのお知らせを参考に作成しました。
白色申告 | 青色申告 10万円控除 | 青色申告 55万円控除 | 青色申告 65万円控除 | |
事前の申告 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 |
簿記の方法 | 単式 (シンプル) | 単式 (シンプル) | 複式 (会計ソフト 必須) | 複式 (会計ソフト 必須) |
提出する書類 | ①収支内訳書 ②確定申告書B | ①青色申告決算書 ②確定申告書B | ①青色申告決算書 ②確定申告書B ③貸借対照表 ④損益計算書 | ①青色申告決算書 ②確定申告書B ③貸借対照表 ④損益計算書 |
その他条件 | – | – | – | e-Tax or 電子帳簿 |
特別控除の額 | – | 10万円 | 55万円 | 65万円 |
基礎控除48万円 と合わせた控除の額 | 48万円 | 58万円 (48+10) | 103万円 (48+55) | 113万円 (48+65) |
会計処理の難易度は、簿記の方法によるところが多いです。したがって、以下のようにお考え下さい。
白色申告≒青色申告(10万円控除)<青色申告(55万円控除)≒青色申告(65万円控除)
控除が増えると提出する書類も増えるんだね~
節税メリットがあるのは青色申告×複式簿記
控除の額を一目見ると、青色申告を複式簿記という方法で行った場合に、節税メリットが大きいことが分かります。
単式簿記と複式簿記の違いはここでは説明しませんが、複式簿記をすると、単なる現金の±だけでなく、資産(例:不動産・現金・預貯金)・負債(例:銀行からの借入)・資本(賞味の財産)といった状況まで把握できるようになり、より経営状況が把握しやすくなります。
日本語で言えば、貸借対照表、英語ではバランスシート(BS)と言われる資料です。
ちなみに、損益計算書というのは、売上-経費の±を列挙した資料で、英語ではプロフィット・アンド・ロス・ステートメント(PL)といいます。
損益計算書と貸借対照表の2つを合わせて、PL/BSなどという方々が多いですね。
この2つがあれば、「より正確に経営状態が把握できるだろう」という前提で、55万円(e-Taxとの併用で65万円)の控除が受けられることになります。
経営状況をきちんと把握できる事業者には、国が税の優遇を与えているんだ。
複式簿記にはそれなりの知識と会計ソフトが必須
一見すると節税メリットがあるので「複式簿記をやればいいんでしょ?」と簡単に考えがちですが、商業高校や商学部で簿記を学んでいない方がこれを行うには、それなりの勉強が必要です。
逆に、複式簿記の概念を理解したうえで、会計ソフトを使うのであれば、それほどハードルは高くないでしょう。
勉強するためのテキストも1,000円台で購入できますので、後でご案内します。
簿記の勉強をすれば、控除の額をグッと増やせるね!
ビジネスが儲かりそうかどうかで選ぶ
皆さんがフリーランス初年度にどれだけの(売上-経費)を見込むか次第で、4つのうちのどれを選択するのか、考えてください。
なお、青色申告をする場合は、事前に青色申告申請書を税務署に提出しましょう。
2020年に限らず、毎年、以下の3通りが期限です。
- 1月1日から1月15日までに開業した場合、3月15日までに提出
- 1月16日以降に開業した場合、開業した日から2月以内に提出
- 前年までに開業済で、今年から青色申告にする場合、3月15日までに提出
期限までに出すのを忘れないようにね!
売上-経費が48万円以下になりそうなら白色申告
さて、ここまで「控除だ!控除!」と青色申告をお勧めしたような書きぶりとなっておりますが、個人的には、フリーランス初年度は白色申告をお勧めします。
初年度は大半の企業が赤字となるのが現状であり、儲かっていない状態であれば、無理に煩雑な青色申告を行う必要性を感じないからです。
売上-経費が48万円を超えそうなら青色申告
ということで、次年度以降に白色申告から青色申告へ切り替えるかどうかを検討するのが良いでしょう。
初年度の経営状況を振り返り、次年度に売上-経費が48万円を超えそうであれば、青色申告をお勧めします。その場合、3月15日までに青色申告申請書を提出するのを忘れないでください。
複式簿記を使えば売上-経費が103万円を超えるまで税金がかからない
複式簿記はハードルが高いと申しましたが、10~30時間ほど簿記を学べば、 弥生会計等のソフトを使いこなせるはずです。
1度会計処理に慣れてしまえば、数十年間ずっと使える知識ですから、早いうちに勉強しておくのが良いでしょう。
独学であれば、こんな本がお勧めです。
1000円程度で買えるものですので、一度ご覧になってみてください。
僕の経験では、簿記3級の知識(問題が解ける必要はない)があれば、ソフトを使いこなせました。2級も1級も勉強しましたが、振り返ってみると、せどりやブログのビジネスの場合、3級だけで十分です。
テスト受けるわけじゃないし、マイペースで勉強しよう!
e-Taxで申請すれば売上-経費が113万円を超えるまで税金がかからない
e-Taxで申請すると、さらにお得ということですが、手続きは簡単です。
これまでは「マイナンバーカードを取得したら便利ですよ!」とキャンペーンを進めていた国税庁ですが、最近は、マイナンバーカードが普及するまでの暫定措置として、e-Tax用の「ID・パスワード」の発行も行っています。
これが、とても便利です。
ID・パスワードの発行は、最寄りの税務署に訪問すれば、簡単に発行してもらえます。
詳しくは国税庁からの案内をご覧ください。
まとめ
今回は サラリーマンを辞めた社会人や学生さんや専業主婦の方がインターネットを活用したビジネスを始めるときの、確定申告のための情報を提供しました。
その気になれば誰でもビジネスが始められる時代ですが、相変わらず分かりづらい税金の話を、極力シンプルにお伝えしました。うまく伝えられたでしょうか?
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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