この記事は下の記事の続きです。
シャドーイングが何なのか、どのような効果が期待されるのか等に触れていますので、是非ご覧になってください。
パート4とパート3が何故シャドーイングに適切なのか
シャドーイングにはTOEIC公式問題集のパート4とパート3が効く!これは最初にお伝えしたいことです。
理由は以下のとおりです。教材を選ぶなら、公式問題集一択です。
■一問一答形式のパート1やパート2では文脈をとらえる訓練にならない。
■長文をじっくりシャドーイングすることで、幅広い英単語や英熟語に触れられる。
■長文のシャドーイングをすることで、そのままリーディングの長文パートの対策になる。
■公式問題集の音声に慣れると、本番でも高得点がとれる。
以下の問題集のうち、どれか1冊を購入してください。
スクリプトをwordファイルにベタ打ち
TOEIC公式問題集には別冊で回答がついていますので、これをwordファイルにベタ打ちします。
ベタ打ちをして、読みやすい大きさにフォントを整える等しておきましょう。
一点注意があります。「俺はヒアリングした内容を文字に起こすところからチャレンジするんだ!」と前のめりにならないようにしてくださいね。
シャドーイングの基本は、「正しい英文」を「正しい日本語」で理解しておき、これを「正しい発音」と「正しい音の繋がり」で発音することです。文字に起こしたものは誤字脱字ばかりでしょうから(日本人なので仕方がないです。人名や地名なんて、わかるはずがありません。。。)、そんなスクリプトをベースに勉強をしても、ろくなことはありません。
ベタ打ちスクリプトを意味のブロックに分ける
ベタ打ちしたものを、加工していきます。
本当はTOEICの公式問題集からコピペできれば良いのですが、著作権侵害行為になりますから、私のどうでもよい自己紹介例文を再登場させます。
ブロック毎に、スラッシュ(/)で区切っていくのが良いです。
これについては、S,V,O,C,Mという文法の要素に区切っていくのが良いでしょう。例えば ↓のような感じです。wordで加工するのが一番楽ですね。この段階まで作業すると、一つ一つの単語の意味や熟語の意味を調べる必要が生じますので、そのあたりをどこかにメモしておきましょう。Excel等に残しておけば自分専用の覚えるべき単語リストが完成しますので、良いと思います。
Today/ I will introduce/ my recommended method of learning English.
This English learning method/ is specifically designed/
to improve the TOEIC score.
In particular,/ you can dramatically increase/ your listening skills.
シャドーイングを始めましょう
TOEICスコアが~400の人は、ここからが正念場です。時間をかけて、あまり面白くない修行のような時間を過ごすからです。
シャドーイングの流れ①
■一文毎に、何度も再生します。
■何度も繰り返し再生し、音になんとなくなじんだと思ったら、再生した音を追ってネイティブになりきって発音してください。
■はじめはうまくいきません。うまくいかないのが当たり前です。だからこそ、完璧に一文を発音できるようになるまで、5回10回と言わず、何十回でもやり直してください。
■再生した音を「完璧に」マネできたと思ったタイミングで、次の文に移ります。
■これを繰り返し、数十秒から1分程度のナレーションを完全に「真似」できるようにしてください。
・・・相当大変ですよ?覚悟してくださいね!というよりも、時間をかけて、一つ一つの工程を確実にこなし、対応していきましょう。
シャドーイングの流れ②
①を終えたら、今度はナレーションを通しでシャドーイングします。①をやる前から②をやっても効果があまり期待できませんので、是非①から着実にやってくださいね。
すると、シャドーイングをする課程で、文章全体の流れというか、リズムを体感することが可能です。
②は、「考えなくてもスクリプトを見なくても暗唱できる」くらいになるまでやりこむのが良いです。
シャドーイングの流れ③
②をマスターしたところで、今度は「リーディング」を意識してみます。
とはいっても、今度は、「スクリプトを見ながら」「スクリプトをナレーションのと完全コピーをしながら(同じリズム・同じスピード)」「音読」してください。
これも、数十回やるのが大事です。
シャドーイングの流れ④
③をやったあとは、音読せず、「黙ってスクリプトを読む」ことにトライしてください。ここまでやれば、ナレーションと同じスピードか、それ以上の速さで黙読が可能となります。
・・・冗談も何も無く、ここまでやりこめば、誰でもネイティブと同じスピードで英文を英文のまま理解できるようになります。
シャドーイングの効果
いかがでしょうか?上述のステップ①~④を踏むことで、時間はかかるけれども「完璧に」ナレーションの英文が自分のものになります。そして、自分のものになった英文たちを少しずつ、毎日ストックしていきましょう。ストックしたナレーションのスクリプトについては、定期的に(例えばストックが10溜まったらとかのタイミングで)、まとめて音読を繰り返すのが良いです。
一日にどれだけトレーニングをするか
ペースは人それぞれですが、これ、相当脳が疲れます。それだけ有効な手段なのですが、おそらく2時間も続けてできるものではありませんので、1日1時間を目安に、2回程度に分けてこなすのが良いと思います。
サラリーマンなら出勤前の移動中と、会社最寄りのカフェでの朝勉強、退社後のフリー時間といったところで、メリハリをつけてトレーニングするのが良いでしょう。仕事との両立はしんどいですが頑張ってください。
学生さんなら、授業の合間とかですかね?僕が大学生の時は、こんな感じでした。
朝5時起床→6時30分に大学の自習室or大学の最寄りのカフェでシャドーイング①②→授業を受けたり友達と遊んだり→バイト→家に帰ってトレーニング③④をこなす。
いかがでしょうか。このやり方が独学で勉強する上での王道だと思います。時間はかかりますが、時間をかけた以上の効果があるので、是非試してみてください。
シャドーイングをやりつくした後に見えてくる課題
この方法を続けていくと、「リスニング力が向上した後に見えてくる課題」を人それぞれ実感することになります。
英文法が苦手、単語をあまり知らない、熟語をあまり知らない、リスニングに比べてリーディングが遅い等、それぞれに感じることが異なると思いますが、これは、だいぶ先のお話なので、いったん忘れましょう。TOEIC公式問題集のパート3とパート4のシャドーイングをやりつくすころには、びっくりするほどTOEICスコアも伸びていると思われます。そのころに気が付くはずです。あなたが高校まで英語を勉強していながらもTOEICスコア400の方でしたら、このシャドーイングを「真面目に」「きっちり」することでTOEICスコア700くらいまではドカンと伸びるのではないかなと思います。
道しるべの参考書の紹介
このあたりのこと、このあたりまでのことを試行錯誤して歩んだ先駆者に「鹿野晴夫」氏がおられます。
英語難民だった鹿野氏は今では990点を取得した英語教育のプロですが、その道のりにはシャドーイングがありました。僕は、大学1年生のときにこの方の本を読んだことがきっかけでシャドーイングを実践しました。
ただし、この本に書いてある情報は、トレーニングの課程での試行錯誤が書いてあるため、勉強法としてのノイズが多いです。繰り返しになりますが、シャドーイングの教材を選ぶなら、必ず「公式問題集」にしてください。
まとめ
■シャドーイングは「完璧」になるまで繰り返す。丁寧に、時間をかけて繰り返す。
■文章の意味を理解してシャドーイングに臨む。
■文章の意味をブロック毎に分けて把握してからシャドーイングに臨む。
■一文一文丁寧にシャドーイングする。
■全体を通じてシャドーイングする。音のリズムを身に着ける。
■シャドーイングの後は音読を繰り返す。
■シャドーイングにはTOEIC公式問題集のパート4とパート3が効く!
■脳が疲労するくらいじっくり取り組む。ただし無理のないペースで。
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