【衰退?】AIの登場でオワコンになる翻訳業
今日はそんなお話をしていきたいと思います。
このお話は、英語で食べていくことを考えている大学生向けのお話です。
皆さんの中には、大学受験で英語が得意だった方や、そこから英語を専門とする学部へ進学し、将来は英語で食べていきたいとお考えになる方もおられると思います。
しかし、英語が好きだからという理由だけで英語だけに絞ったキャリアを築くのは、AIが発達した現代ではやめた方が良いと考えます。以下では、その一例としてAIが得意とする機械翻訳の産業界への影響について伝えます。
なお、僕は「英語(TOEIC)」×「専門知識」×「実務経験」の掛け算でキャリアを考えるのが良いと考えています。キャリアの掛け算の提案と実践については以下の記事に書いていますので、合わせてご覧ください。
英語のスキル自体は必要
まず初めに、今回のお話は、「AIが全てを片付けてくれるから、英語を勉強しなくていいんだ!」というようなお話ではありません。
英語の勉強は必要ですが、産業翻訳という特定の分野ではAIが人の仕事を奪う未来が近付いているので、これを専門にするのはやめた方が良いという提案です。
この提案は、僕が少し前まで実際にやっていた副業についての経験に基づくものです。
僕のやっていた英語の仕事
僕は本業の傍ら、英語のリーディング能力を維持するために、英文から日本語へ翻訳する仕事を受注していました。具体的には特許翻訳です。
僕は、時給換算で2000円程の単価の特許翻訳を受注していました。業務量は自分で調整可能でした。
特許翻訳ってどういう仕事?
僕がやっていたのは、日本の特許庁に、外国の特許庁から英語で届く技術資料を、特許の世界の書き方に沿って、日本語に翻訳する仕事でした。年間数十万件の特許翻訳が発生するため、仕事はずっと無くならないだろうと思っていました。
しかし、AIによる自動翻訳の精度が向上したことから、今後特許翻訳の仕事は確実に減っていくことでしょう。
特許翻訳がAIと相性が良い
AIは特許翻訳が得意です。以下のポイントを押さえているからです。
■特許の文書は論理的に記述されている
英語は主語・述語が明確です。非常に論理的な言語体系です。日本語のように主語が省略されません。論理的な文書の翻訳はAIと相性が良いのです。
試しにGoogle翻訳をしていただくと、英語から日本語へ翻訳する場合、きちんと意味を理解できることが多いです。一方、Google翻訳で日本語を英語に直してみると、とんでもない誤訳が生まれることも多々あります。
日本語を他の言語に翻訳する場合、元の日本語について主語を省略しないよう気を付けなければ、まともな翻訳文ができあがりません。
■言い回しがパターン化している。
特許の文書にはパターンが存在します。例えるなら俳句の5・7・5、短歌の5・7・5・7・7のような文書の流れです。
AIはパターンを認識するのが得意ですから、パターンを記憶させることで翻訳の精度は向上します。
AIと相性の良い翻訳業務は人の手を離れていく
以上のことから、AIにより特許翻訳は人が行う仕事ではなくなりつつあります。また、特許翻訳に限らず、翻訳全般はAIに仕事を奪われることになるでしょう。
単純作業から人類が解放されるのは喜ばしい一方、これから特許翻訳で生きていこうとする方にとっては、スキル修得の方向性に注意しなければなりません。翻訳の精度が不十分で品質の低い翻訳文もありますが、 翻訳文の校正のプロがいれば足りる時代が近付いているからです。
全てがAIで処理されるわけではない
文書の翻訳がAIで処理されるからといって、コミュニケーションツールとしての英語の勉強が不要になることはありません。
例えば、「翻訳ツール」を介してコミュニケーションする男女を想像できますか。旅行先で道を尋ねるならまだ分かりますが、親子の会話、夫婦の会話が翻訳ツールを介してなされるというのは想像できません。
参考:自己紹介はこちら
参考:給与アップのためのTOEICの勉強法はこちら
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